もちあずき

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青空文庫おすすめ作品 岡本かの子『鮨』

青空文庫のヘビーユーザーです。なにしろ無料なので無限に読めてしまう。

そのなかで見つけて好きな作品を紹介していきます。

 

岡本かの子の『鮨』という作品は、短編でさっと読めるのですが、かの子らしい文体と着目点が面白く、その上めちゃくちゃ鮨が旨そうなのです。

 

はだかの肌をするする撫なでられるようなころ合いの酸味に、飯と、玉子のあまみがほろほろに交ったあじわい

 

なんて素晴らしいでしょう。

 

岡本かの子という名前を初めて知ったのは、『文人悪食』という本でなのですが、その書かれ方がまあひどい、自意識過剰で無粋で魔女のような醜女という描写なので、読むまではなにか警戒があったのですが、この作品はとても面白かったです。ほかの作品、例えば

 食魔、なんかもすべて青空文庫で読めますし、いいです。

 

岡本かの子その人についても、ぼつぼつ読んでいくと『文人悪食』のあの描写は何か一方的な感もあり。一面ではあるんでしょうが。