もちあずき

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スーパーファミコンの思い出、あるいはあの迷信じみた攻略情報のこと

あのころはインターネットも無かった。頼りになったのは不確かな噂と、本屋で立ち読みした攻略本の断片的な記憶しかなかった。

 

ロックマンXスーパーメトロイドマリオカートシムシティ。我が家に初めてやってきたゲーム機はスーパーファミコンだった。一日三十分という限られた時間の中、我々兄弟は一丸になってそれらの攻略にいそしんだ。ボスを倒すのに一番いい順番、三角飛びのやり方、キノコを使ったショートカットの仕方、公害を防ぐ建設方法、それらを追求するのに必死になった。三十分なんてあっという間だった。

 

あの頃の我々を動かしていたのは、先のわからないワクワク感だった。すべてがぼんやりとしていた。あそこに隠しアイテムがあるらしい、こういう裏ワザがあるらしい、その情報には確かなソースはなかった。またあったとして、それを実行した後に何があるのかも知らなかった。

 

先に何があるのかわからないということが、これらのゲームに対する情熱をより高めていた。物事は謎めいていたほうがいい。本来の魅力に加え、さらに一種宗教的というか、霊的な情熱が加わる。

 

今、インターネットには攻略情報があふれ、またそれは驚くほどの速さでブラッシュアップされていく。誰かその道に長けた人々の手によって。ありとあらゆるゲームについて。

 

自分はゲームの面白さの中に、あの小学生のころの情熱を期待している。あの不確かで、粗削りで、迷信じみた情熱を傾けられるゲームを。